ニュースレター

ニュースレター vol.1|海洋散骨と海洋投棄の違いとは?

2024.05.30

「海洋散骨」と「海洋投棄」は何が違う?
故人を弔う意志の有無が判断基準に

当社は、日本における葬送の現状、課題および当社の取り組みなどを紹介する「Newsletter」を創刊することとなりました。記念すべき第1回目は、「海洋散骨と海洋投棄は何が違う?」をテーマに、海洋散骨の定義や散骨禁止エリア、故人を安心して見送るために、悔いのないセレモニーを執り行う大切さをお届けします。

「祭祀の目的」をもち執り行う葬送を海洋散骨と呼ぶ

海洋散骨とは、火葬後の遺骨を粉状にし、上空や船舶の上から海へ撒いて供養する葬送方法の一つです。「自分の死後は自然に還りたい」「大好きだった海に眠りたい」といった故人の意志や、様々な事情でお墓に入れない、お墓を持てないという悩みをお持ちの方などから支持を受け、海洋散骨の施行件数は年々増加しています。
 一方で、海洋散骨は遺骨を海へ捨てている「海洋への不法投棄」と批判されることもあります。では、海洋散骨と海洋投棄は何が違うのでしょうか?一般社団法人日本海洋散骨協会の定義では、「祭祀の目的をもって、故人の火葬したあとの焼骨を海洋上に散布すること」1)とあります。また、2021年には厚生労働省からも「散骨が関係者の宗教的感情に適合し、かつ公衆衛生等の見地から適切に行われることを目的」2)として散骨事業者向けガイドラインが発表されました。
 日本において、故人の埋葬は「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき行われていますが、この法律には遺骨を陸地や海面に散布する行為について想定し定められてはいません。海洋散骨なのか、海洋投棄なのかは、「祭祀の目的」のもと、節度をもって執り行われるかどうかが判断基準となっています

「祭祀の目的」とは先祖を弔うという意志があるかどうか

 ここで「祭祀の目的」とは何かに触れたいと思います。祭祀とは、先祖や神々を祀る行為や場所のことを指しており、遺骨(物体)の処分、ではなく、先祖を弔うという意志があるかどうかを意味します。弔う意志があるかどうかは、「誰が見ても弔いの行為である」と民衆が判断できる葬送・セレモニーを実施しているかどうかに関わってくるのです。海へ旅立っていく故人への想いを表現する方法は様々あり、遺族が自由に選ぶことができます。

<節度ある散骨の例>
〇 遺族が乗船し、自身の手で祈りを込めて海へ投下後、黙祷など弔いの行為をする
〇 故人にちなんだ海域を選ぶ
〇 故人の好きな曲を捧げる

<NG例>
✕ 業者が不特定多数の遺骨をまとめて海へ投げ入れるだけ
✕ 粉骨していない遺骨をそのまま海へ散骨する
✕ 不特定多数の目に触れる場(公共のフェリーなど)の上から無許可で散骨する

海洋散骨禁止の場所

 故人を弔う意志があり、節度をもって実施すれば、どこの海でも海洋散骨が可能というわけではありません。厚生労働省のガイドラインによると「海岸から一定の距離以上離れた海域」であれば実施可能とされていますが、日本海洋散骨協会がより細かく設定しています。当社を含む散骨事業者は、下記を遵守する必要があります。

・人が立ち入ることができる陸地から1海里以上(約2km以上)離れた海洋上のみで散骨を行い、河川、滝、干潟、河口付近、ダム、湖や沼地、海岸・浜辺・防波堤やその近辺での散骨を行ってはいけない。

・散骨のために出航した船舶においてのみ散骨を行い、フェリー・遊覧船・交通船など一般の船客がいる船舶において散骨を行ってはいけない

・海洋上で散骨を行うに際しては、漁場・養殖場・航路を避け、一般の船客から視認されないように努めなければいけない。

なお、海洋散骨を施行するにあたり、現状は法律上の規定がないため事業者登録や免許等の申請は不要となっています。しかし前述の厚生労働省のガイドラインや、国土交通省のガイドライン基準3)を満たし安全に行える散骨事業者を選ぶことが大切です。なぜ海洋散骨をするのか。それは故人の意志や家族の想いを尊重し、安心して故人を海へ送るためです。海洋散骨を希望するすべての方が、悔いのない葬送を執り行えることを祈っています。

1) 一般社団法人日本海洋散骨協会「日本海洋散骨協会ガイドライン」
https://kaiyousou.or.jp/guideline.html

2) 厚生労働省「令和2年度厚生労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」研究報告書より」
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000763737.pdf

3)国土交通省「海上において散骨をする場合において遵守すべき海事関係法令の解説」
https://www.mlit.go.jp/maritime/content/001719106.pdf

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