ニュースレター
ニュースレターVol.5|散骨は四十九日までに行わなければならない?
2024.10.18


散骨をいつ頃おこなうべきか?
想い出に残る場所と実施時期の選び方
当社は、日本における葬送の現状、課題および当社の取り組みなどを紹介する「Newsletter」を発行しています。第5回目は、初めて海洋散骨を行う方が特に悩みがちな、海洋散骨の実施時期について解説します。

一年で最も海洋散骨が行われるのは秋、10~11月の出航に集中
ブルーオーシャンセレモニーでは、全90ヵ所以上の出航拠点から希望の海を選んで海洋散骨を行うことができます。毎月たくさんの方の海への旅立ちをサポートしていますが、中でも特に出航が集中するのは例年10月~11月にかけての秋のシーズンです。
秋に出航が集中する理由は二つあります。一つは地域によって出航可能な期間に制限があることです。温暖地域や湾内で実施するエリアは一年を通じて散骨が行えますが、北海道を含む寒冷地方の一部では、安全面から厳しい冬の海への出航ができません。そのため、例年12~4月頃まで一部拠点からの出航を中止しています。また、沖縄などのマリンレジャーが盛んなスポットでは、7~9月の夏休み期間は特に船舶の確保が難しくなります。したがって、全国的に10~11月の秋のシーズンに散骨の予約が集中する傾向があります。
二つ目は、秋の実施では暑すぎず寒すぎない、穏やかな気候が期待できることです。当社では約6割の方が乗船して散骨するプラン(チャーター散骨プラン、または合同散骨プラン)を選ばれています。そのため、船の上で過ごすのに適した気候の時期を希望される傾向があり、秋口と春先の人気が高まります。夏場は特に台風の影響を気にされる方も多くいらっしゃいますが、一年を均してみると荒天で欠航する確率は月ごとに大きく差がなく、台風を特別に気にする必要はないと言えるでしょう。
大切な人が亡くなった後、いつ頃海洋散骨をおこなうべきか?
火葬後のご遺骨は、家族が亡くなり葬儀を終えた後、四十九日法要を経てお墓に納骨するというのが一般的によく知られている流れです。これは仏教の中陰の考えによるもので、四十九日で故人様が浄土に渡られるため、そのタイミングで法要を行い、その際に親族が集まることも多いので併せて納骨も行うようになったと考えられます。つまり、四十九日を目途に納骨を行うのは仏教的観点と慣習によるところが多く、法律上納骨の期限が定められているわけではありません。実際には火葬後に埋葬を行わず、ご自宅やその他の場所に骨壺を安置して供養することもまったく問題ありません。
当社で海洋散骨を希望する方のうち、ほとんどの方は無宗教(※旦那寺や決まった宗教を持たない考え方)の形式でセレモニーを行います。したがって、海洋散骨の実施時期は四十九日など仏教の慣習に合わせる必要がなく、ご家族のご意向に合わせて自由に選択していただくことができます。

上の図は当社で海洋散骨を行った方のご命日から散骨実施までの期間を計ったデータです。最も多い「十年以上」の中には、墓じまいなど、一度埋葬したご遺骨を海洋散骨で供養し直したケースも多く含まれます。「十年以上」を除くと、約半数の方が亡くなった後三か月から一年以内に海洋散骨を実施されている傾向にあり、一般的に納骨を行う四十九日よりも長い期間、ご自宅等でご遺骨を供養されているとわかります。これには、海洋散骨でご遺骨が手元から無くなってしまうからこそ、ご遺骨をしばらく手元に置いてじっくり供養したいというご家族の心情に依る側面と、出航日の調整、ご遺骨の粉末化と、悪天候による延期の可能性を加味した物理的側面の両方があると考えられます。
想い出に残る時期と場所を選び、海洋散骨を行うことが何よりの偲び方
海洋散骨は、宗教の縛りがなく、ご家族や関係者・散骨を希望するご本人の考えをもとにして、自由にプランニングすることができる供養方法です。散骨を行う場所も、お住まいのそばの海の他、故人様の出身地、お勤め先や縁ある場所、家族で訪れた想い出の場所、など自由に選択することが可能です。時期についてひとつアドバイスができるとすれば、なるべくご家族みなさまが乗船し、自らの手で故人様を送りだしていただけるよう、みなさまが参加のしやすい時期を選択することをおすすめします。あるいは、散骨後にお墓参りや法要の代わりとして、家族旅行で改めてその場所を訪れるという方もいらっしゃいます。
海洋散骨では慣習や宗教的観点以上に、印象深い想い出を作れる場所や時期を選ぶことが大切です。ご家族のみなさまの記憶に故人様を永く刻み続けることが、何よりの偲び方であると私たちは考えています。