ニュースリリース
2023年版/お別れ会・偲ぶ会に関する調査レポート
2023.07.20
お別れ会・偲ぶ会に関する調査(2023年)
主催者は故人様のご家族が47.4%で最多
コロナ禍で葬儀に呼べなかった人に向け、三回忌にお別れ会を開催したケースも
当社は、2021年1月~2023年6月までにStoryでお別れ会を実施したお客様データの調査をおこないました。
実施の背景
お別れ会・偲ぶ会は、葬儀とは違い、準備に時間のゆとりがあるため、「故人を偲ぶ」ことを重視し、より「その人らしい」お別れができることが特徴です。前回の調査は2020年12月に実施しましたが、2021年以降のコロナ禍による影響や動向の変化を、実際にお別れ会を実施したお客様のデータをもとに調査いたしました。
※前回の調査結果は下記よりご覧いただけます。
URL:https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/8657/
株式会社鎌倉新書 お別れ会・偲ぶ会に関する調査(2020年)
調査概要
調査名 :お別れ会・偲ぶ会に関する調査(2023年)
調査対象 :お別れ会プロデュース「Story」にて2021年1月~2023年6月までにお別れ会を開催したお客様のうち57組
調査期間 :2023年7月4日(火)~7月11日(火)
調査方法 :個別ヒアリング
有効回答数:57件
※回答結果(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値が100%にならない場合があります。
調査トピック
1. お別れ会の主催者:ご家族主催が47.4%、前回より5.4%UP
2. 故人様の年齢:50~70代がメインで前回調査と変わらず。役職は創業者・社長が最多
3. ご逝去から開催日までの日数:平均日数209日、コロナ禍で延期の傾向あり
4. 開催場所:ホテルが過半数、カフェ・レストランの合計値は若干減少
5. 参加人数:個人開催は70名未満が62%、法人開催の場合は200名以上の大規模に
6. 食事スタイル:食事なしが最多で、「飲み物のみ」も増加
7. 開催にかかった費用:法人・団体の場合は300万円以上の大規模に、個人開催の場合は100万円以下が最多に
8. 会費制:香典・会費を受け取らないスタイルが増加。食事を振舞わないケースの増加が影響か
調査結果
1.お別れ会の主催者:ご家族主催が47.4%、前回より5.4%UP
・故人様のご家族がお別れ会を主催するケースが47.4%と最多でした。コロナ禍で葬儀にご友人などを呼べなかった、という想いや、ご友人や会社関係の方々より要望する声があがり、時間をおいて後日開催するというケースがみられました。また、実際にコロナウイルス感染が理由で亡くなってしまい、ご葬儀に人を呼ぶことができなかったという方の事例もありました。
・「会社」は43.9%で前回よりも5.9%増となりました。コロナ禍においての法人主催のお別れ会は、食事をなしにする、時間入れ替え制にする、またオンライン配信やVRツールを利用するなどの工夫が多くみられました。
2.故人様の年齢:50~70代がメインで前回調査と変わらず。役職は創業者・社長が最多
・調査対象期間中、最も若い方で22歳、最高齢では101歳の方のお別れ会が開催されました。
・亡くなった方の役職や続柄について、法人が主催する場合は「創業者」「社長」が最も多く、「役員」が続く結果になりました。個人が主催する場合は、故人が「夫」という結果が最も多く、続いて「父」となりました。故人様の性別については全体の80.7%が男性という結果であり、働き盛りから定年退職前後にかけ、社会的な地位やつながりの広い方が個人・法人問わずお別れ会の主役となるケースが多いと考えられます。
3.ご逝去から開催日までの日数:平均日数209日、コロナ禍で延期の傾向あり
・前回の調査では、ご逝去日から開催日までの日数平均が162日、全体の58%がご逝去から三か月以内での開催という結果でした。ところが今回は平均日数が209日となり前回より+47日、三か月以内での実施は全体の約33%に留まりました。
・最も多かったのはご逝去から「半年以内」の開催で27.5%、特に「一年以上」のケースは前回よりも+10.6%増え、長期的に準備をされた方が多い結果となりました。
・中には、亡くなってすぐに一度は開催を検討したものの、コロナ禍の影響を受け三回忌まで開催を延期するケースも見受けられました。
4. 開催場所:ホテルが過半数、カフェ・レストランの合計値は若干減少
・個人開催・法人開催共に、ホテルでの開催が約半数と最多でした。トピック6の結果と連動しており、ホテルのバンケットルームでは食事をしなくも広いスペースと設備を利用できることから、前回調査時点よりも利用数が増加したと考えられます。一方、飲食が前提となるカフェやレストランでの開催は若干の減少が見られましたが、2022年の夏以降、徐々に利用数が戻りつつあります。
・法人開催の場合、自社の会議室やオフィスの利用、またオンライン配信での開催なども見られました。
5.参加人数:個人開催は50~70名規模が最多、法人開催の場合は200名以上の大規模に
・全体では200人以上の開催が29.8%で最も多く、そのうちの76.4%が法人・団体主催のお別れ会でした。
・個人開催の場合、最も人数が多かったケースは400名の参列、10名以下の少人数で開催したケースも見られました。法人開催の場合は参列人数が1,000名を超えるケースから、40名程度まで大きく開きがありました。少人数で開催する法人のお別れ会では、オンラインツールや当社の「VRお別れ会」なども活用し、三密を避けながらなるべく多くの方に会の様子を届けるといった工夫が見られました。
・全体平均は169名と前回より+59%UPしていますが、大規模な法人開催のケースの要因が大きく、個人開催の場合は平均82名、全体の62%は70名未満での開催と、前回同様に近しい方だけを招いた小中規模のお別れ会が選ばれている結果となりました。
6. 食事スタイル:食事なしが最多で、「飲み物のみ」も増加
・前回の調査では「ブッフェ(立食)」が最多で34%を占めており、明るいパーティースタイルが人気という結果が出ていました。今回の調査ではコロナ禍中ということもあり、「食事なし」が前回より+43.1%と大幅に増加し、「飲み物のみ」というスタイルも見られるようになりました。
・お別れ会の中で食事を振舞わない場合は、式典やプログラムを充実させるほか、メモリアルムービーの上映や、故人様の経歴のパネル展示などして参列者の方々にゆっくりと過ごしていただけるよう工夫が必要です。
7. 開催にかかった費用:個人・法人で大きく開きあり。法人の場合は300万円以上の大規模開催傾向
・会場費、飲食費、祭壇その他コンテンツ費を含むお別れ会開催費用の総額を基に集計しています。
・個人主催の場合は50~100万円の予算での開催が最多、法人主催の場合は300万円以上の大規模な会が最多となりました。
・全体平均は¥2,614,178と前回調査よりも大きく上昇しているように見えますが、個人開催の場合は¥1,511,917と前回よりも約30万円の増加、法人主催の場合は¥3,755,806と前回よりも約160万の増加で、法人主催の大規模な会が開催されたことが平均値引き上げの要因となっています。
・他と比べて会場費が高くなりやすい「ホテル」での開催比率が増加したことも全体平均上昇の要因と考えられます。
8.会費制:香典・会費を受け取らないスタイルが増加。食事を振舞わないケースの増加が影響か
・お別れ会・偲ぶ会では参列者様に会費をいただくことで、主催者様の負担を軽減することができます。特にご葬儀から時間が経過している場合、香典ではなく会費という名目の方が参列者様も迷わずに持参することができるため、お別れ会ではよくとられている手法です。
・しかしながら、前回58%が会費「あり」を導入していたにもかかわらず、今回の調査中、会費「あり」で開催したケースは全体の26.3%と大きく減少傾向がみられました。これは、食事を振舞わない会が増加したことや、大規模な社葬(法人主催の会)の比率が増加したことが要因と考えられます。
全体考察
会の内容や費用には様々なパターンがあり、調査結果には偏りが大きな部分もありました。しかしながら、前回より続く傾向として、ご家族が主催するお別れ会・偲ぶ会が根強く広がっており、日程を延期しながらも諦めずに機会を待って開催する方が多くいらっしゃいました。2021年以降はコロナ禍の強い影響もあり、家族葬や直葬・火葬式を選ぶ方が増え、葬儀規模は縮小傾向と言われています。しかし、やむを得ず小規模な葬儀をおこなった場合でも、「本来であれば関係者を招いて偲ぶ機会を設けたい」と考える人々は少なくなく、お別れ会・偲ぶ会のニーズは今後もさらに広がっていくと考えられます。実際、「Story」では2021年~2023年にかけてのコロナ禍中にも多くの方よりご相談をいただき、様々な工夫を凝らしながら偲ぶ機会を提供して参りました。後日、お別れ会や偲ぶ会を開催するという選択肢があるということをより多くの方に知っていただくことで、少しでも多くの方に後悔を残さずお別れをしていただけるよう今後も努めて参ります。
代表者コメント
コロナ禍において世の中の葬送の捉え方や扱いが変化し、当社の「お別れ会・偲ぶ会」にも影響が表れたと感じた為、この度改めてデータを纏めることといたしました。特に注目しているポイントは、家族葬や直葬など小規模のご葬儀が主流になってきている中、「お別れ会は著名人や有識者がするもの」という固定概念が薄れており、一般家庭の方々にも「お別れ会・偲ぶ会」を希望される方が急増している点です。それに伴い、今年6月にはセミオーダー型の「少人数プラン」もリリースいたしました。ニーズの拡大に合わせて、より多くの方に利用していただけるよう、オーダーメイド型よりも価格を抑えパッケージ化したサービスとなっています。
また、会のスタイルについては、亡くなった方や参列者の年代によっても傾向が異なるように感じています。若い方たちが多い場合には、レストランなどを候補としてパーティー形式で検討する方が多い一方、定年後の方々がメインになるようなケースでは格式やおもてなしを重視したホテルを選ばれる傾向もあり、お別れ会=ホテルのバンケットで、という様式にも変化が伺えます。過去におこなった中では、バスで思い出の地を巡る移動式のお別れ会や、生前にご自身の言葉で「ありがとうを伝える会」など、場所や形式にとらわれずにその方らしさを追求した会がやはり印象深く残っています。故人様やご遺族様、それぞれの偲び方に合う方法をご選択いただき、当社でサポートできれば幸いです。
株式会社ハウスボートクラブ 代表取締役社長 赤羽 真聡